歯周病予防が認知症予防に?
こんにちは!戸塚の歯医者、酒井歯科診療所の院長、酒井穣です。
以前より、地域医療講習会や様々な場面において、認知症患者増加についてお話しを伺う機会が増えていました。
一概に認知症といっても様々ですが、認知症患者と認知症予備軍は概略合わせて1000万人以上とも云われています。
そして昨今、歯科と認知症の関係性についての知見が発表されています。
今回は、「歯周病と認知症の関係性」についてお話します。
◾️歯周病と認知症の因果関係
『歯周病』と『認知症』と聞いても、全く関係性のない病気だと感じるかと思います。
歯周病とは、歯の隙間や歯周ポケットにいるプラークに棲んでいる歯周病菌が原因となり引き起こす感染症です。
歯周病菌が歯ぐきに炎症を起こしたり、出血の原因になることは良く知られているかと思います。その歯周病菌がなぜ脳の病気と繋がるのでしょうか。
歯周病菌のなかでも、アルツハイマー型認知症の原因物質の増加に関与する「Pg菌」という悪性の菌は、腫れた歯ぐきからの浸出液や血液がに多く存在します。
歯周ポケットの中に溜まった汚れ(プラーク)や歯石を掃除していないと、歯周病菌が増加し、Pg菌が培養されます。
Pg菌が歯茎の中に侵入すると、「免疫細胞」が反応してPG菌を攻撃します。
この時に免疫細胞が「カテプシンB」というタンパク質分解酵素を放出します。
この物質(カプテシンB)が多く存在すると、攻撃されたPg菌だけでなく、周りの細胞も傷ついてしまいます。
この際、認知症の原因と考えられている、異常なタンパク質「アミロイドβ」が産出されるのです。
アミロイドβは歯茎の血管から血流に乗り、やがて脳に到達しアルツハイマー型認知症が進行します。
これまで、アミロイドβは脳で作られ脳に蓄積されていくと考えられていました。しかし、近年の研究が進み、歯周病菌による炎症が起きている歯ぐきでアミロイドβが多くつくられていることが判明したのです。
〜概略〜
1.歯周病菌のひとつ「Pg菌」が歯ぐきから体内に侵入
2.Pg菌と「免疫細胞」が戦った際に免疫細胞が「カテプシンB」を放出
3.カテプシンBにより「アミロイドβ」が産出
4.アミロイドβが脳の血管に到達し、アルツハイマー型認知症が進行
◾️まとめ
〜お口の健康から全身の健康へ〜
認知症を予防するためにも、日頃から歯科医院で歯周病の治療やメンテナンスを受けておくと安心できるかと思います。
歯周病はむし歯と違って痛みの出にくい病気ですので、気づかないうちに進行してしまう可能性があります。
歯磨きの際に歯ぐきから出血しても「まあこのくらいなら大丈夫だろう」と放置してしまう人は多いのではないでしょうか。
むし歯も歯周病もそのほかの病気も、早めに病気に気付き、治療、予防していくことが一番大切です。
ぜひ継続的に歯科医院でのメンテナンスをおすすめします!

