歯ぎしり・食いしばりの原因と対策
こんにちは!戸塚の歯医者、酒井歯科診療所、院長の酒井穣です。
日頃の診療で、意外と多くおみかけするのが歯ぎしり・食いしばりをされてる可能性がある患者さんです。
口腔内写真等で、いわゆる特徴的な所見を示す場合には、注意喚起の1つとしてお知らせする場合もありますが、ご本人の自覚を伴わない場合も多いです。
今回は、中長期的に、様々な影響のある「歯ぎしり・食いしばりの原因と対策」について、ご説明します。
歯ぎしり・食いしばりの原因として、現在最も有力視されているのがストレスです。原因であるストレスを減らすことが最も効果的な対処法のはずですが、生活をガラリと変えるわけにはなかなかいかないと思います。毎日時間に追われる現代人が、すべてのストレスから解放されることは大変難しいことです。
■歯ぎしり・食いしばりの複合的な原因
歯ぎしり・食いしばりには、ストレスの他に、睡眠の質や服用中の薬の影響、飲酒、喫煙なども関わっているとされています。こうした原因だけではうまく説明がつかない領域も未だ残されています。
歯ぎしり・食いしばりは、さまざまな原因が複合的に加わることによって起きていると考えられ、仕事を減らしたからといって必ずしも改善するとは限りません。
■歯ぎしり・食いしばりへの対策
・ナイトガードによる対策
そこで、歯やあごに加わる過剰な力を減らすための対策として大変有効なのが、就寝用のマウスピース、ナイトガードの使用です。歯科医院で患者さんの歯型にぴったり合わせて製作するため、就寝中に装着すると、歯やあごに加わる力の害を緩和することができます。
・自己暗示療法
簡潔な説明になりますが、日頃から集中してる時や、緊張してる時に噛み締めてないかどうか意識するようにし、もし噛み締めてたら離してあげる。それを繰り返すことで、意識下の行動が無意識下にフィードバックされるというものです。
・ストレスケア
規則正しい生活はもちろんのこと、良質な睡眠を得るための準備が大切です。
睡眠中の歯ぎしり・食いしばりは5~15%の方が行なっていると言われ、決して珍しいものではありません。歯の破折や治療の繰り返しに悩んでいる場合、ご自分に自覚がなくても歯ぎしり・食いしばりをしている可能性が高いです。
■歯へのダメージの深刻さ
患者さんの歯や被せ物、顎関節に大きなダメージを与える力のコントロールは切実な課題です。特に睡眠中の歯ぎしり・食いしばりは、制御が効きにくいため被害も莫大で、何度も通って治療を終えた被せ物やインプラント、健康な歯まで傷めてしまうこともあります。
■マウスピースQ&A
Q.市販品のマウスピースをナイトガードとして使っても大丈夫?
A.市販のマウスピースは、お手頃価格ですが、熱湯で自分で成形するタイプは避けてください。成形時に噛み方が斜めに歪むと、その歪みが毎晩の装着で長時間影響を与えてしまいます。スポーツ用マウスガードは試合や練習時に短時間使用するもので、長時間装着するナイトガードとは根本的に役割が異なります。
Q.朝起きたら噛みにくい?
A.ナイトガードをして寝ると、起床時に歯が噛み合わないことがあります。顎関節がマウスピースの厚みに慣れているためで、心配は要りません。頬に手を当てて奥歯を優しく合わせると、5分ほどで元に戻ります。毎朝の日課にしてください。
Q.使わない時の保管方法は?
A.ナイトガードは吸水性があるため、乾くと変形してしまいます。湿度100%の状態で保管するため、密閉した箱に少し水分を入れて保管してください。ナイトガードは消耗品で、削れて歯を守る役割を果たします。定期メンテナンスの際には必ず持参し、修理や作り直しが必要か確認しましょう。
■歯ぎしり・食いしばりに心当たりは?
朝起きた時に、あごが痛い、あごが重く疲れている、奥歯がジーンとしているなどの自覚がある方、または治療した歯が壊れやすい、詰め物がよく取れる方は、歯ぎしり・食いしばりをしている可能性が高いです。
現在残っている歯を維持するために、力のコントロールに意識を向け、対策をとっていくことは、中長期的に、歯を守っていく、いわゆる口腔内管理のために必要な重要なファクターの1つです。

